発達障害検査について

当検査室では、WISC-Vと副検査を組み合わせて検査を行い、発達障害の特性や要素についての結果報告書をお出ししております。発達検査では、「運動」「身辺自立」「言語」などの領域別に発達の状態を測定します。
当検査室では、WISC-Vと副検査を組み合わせて検査を行い、発達障害の特性や要素についての結果報告書をお出ししております。発達検査では、「運動」「身辺自立」「言語」などの領域別に発達の状態を測定します。
発達障害は、主に自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)の3つに大きく分けられます。
ASD(自閉スペクトラム症): 社会的なコミュニケーションや対人関係の困難、限定された興味や反復行動、強いこだわりなどが特徴です。言葉の遅れや、特定の感覚への過敏さ(音、光、匂いなど)が見られることもあります。
ADHD(注意欠如・多動症): 「不注意」(集中力が続かない、忘れ物が多い)、「多動性・衝動性」(落ち着きがない、衝動的に行動する)といった特性がみられます。
LD(学習障害): 知的な遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の学習能力に困難を抱えます。
これらの特性は単独で現れることもあれば、重複して現れることもあり、その表れ方は人によって様々です。
発達障害とアセスメントは、「見えない特性を理解し、適切な支援につなげる」という点で密接に関わっています。発達障害は、その特性が外からは分かりにくいため、科学的なアセスメントを通じて客観的に理解することが非常に重要となります。
発達障害の診断や支援では、知能検査(WISC-Vなど)やアセスメントが非常に重要です。これらは、単にIQを測るだけでなく、その子の認知機能の「凸凹」を明らかにする役割を果たします。例えば、得意な推論力と苦手な視空間認知がわかれば、苦手な部分を補い、得意な部分を活かした学習方法を考えることができます。
アセスメントでは、知能検査に加えて、感覚プロファイル(感覚の過敏さや鈍感さを測る)やAQ検査(自閉スペクトラム症の傾向を測る)などを組み合わせることで、より包括的で立体的なその子の姿を理解することができます。これは、いわば「見えない困りごと」を可視化するための大切なプロセスです。
かつて、発達障害の支援は「できないことをできるようにする」訓練が中心でした。しかし、近年の動向として、「特性を理解し、その子の強みを活かす」という考え方が主流になっています。これは、「できない」を「工夫すればできる」へと変えるポジティブなアプローチです。
・個別最適な支援: 一人ひとりの特性に合わせたオーダーメイドの支援が求められています。たとえば、聴覚過敏の子にはノイズキャンセリングヘッドホンの使用を許可したり、書字が苦手な子にはPCのタイピングを促したりします。
・早期支援の重要性: 乳幼児期や学童期に特性に気づき、早期に適切な支援を始めることで、二次的な困難(不登校や自己肯定感の低下など)を防ぐことができます。
・多職種連携: 医師、臨床心理士、学校の先生、家族など、複数の専門家が連携し、包括的に支援していくことが重要です。
・最新の知見と動向: 最近の研究では、発達障害は「病気」ではなく、その子の個性であり、脳の「タイプ」であるという見方が強まっています。また、その特性が特定の分野で驚くべき才能(例:高い集中力、細部への注意)を発揮することもあるとされています。これからの支援は、その子の可能性を信じ、得意なことを伸ばし、本人やご家族が笑顔で過ごせるような環境を整えていくことが最も大切です。
発達障害を持つ人々は、決して少数派ではありません。社会全体が彼らの特性を理解し、多様性を認め合うことで、誰もが自分らしく生きられる共生社会の実現につながります。
検査にはいくつかの検査を組み合わせたバッテリー検査を行います。WISC-Vを主検査として、いくつかの副検査を組み合わせて、知的特性だけでなく日常生活への適応・行動特性や発達特性、感覚的な偏りを把握します。
ここではさまざまなお悩みに合わせた検査の組み合わせをご紹介します。
25,000円(税込27,500円)
・知的特性の把握: WISC-Vにより、知的な発達水準や、得意な能力・苦手な能力を詳細に把握できます。
・日常生活での適応: Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性: ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り: 感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的な理解: これらの結果を統合することで、「高い知的発達水準を持つ一方で、不注意や多動性から学業に困難が生じている」ことや、「特定の感覚過敏が、集団生活への適応を難しくしている」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■ 読むことが苦手
・文字や単語を正確に読めない
・教科書の音読がスムーズにできず、たどたどしい。
・文章を読んでも内容が頭に入ってこない。
■書くことが苦手
・文字の形が崩れていて判読が難しい、マス目からはみ出る
・文章を書くのに極端に時間がかかる
■授業への参加が難しい
・先生の話に集中できず、ぼーっとしてしまう
・授業中に落ち着いて座っていられない、席を離れてしまう
・忘れ物や提出物の遅れが多い
30,000円(税込33,000円)
・認知機能の把握:K-ABCIIを用いることで、継次処理(順序立てて考える能力)や同時処理(物事を同時に捉える能力)など、認知機能の強みと弱みを詳細に把握できます。これにより、単に「勉強が苦手」ではなく、その原因が「情報を処理する特定の能力のつまずき」にあることを特定できます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的な理解:これらの結果を統合することで、「継次処理の弱さから、順序立てて行う課題が苦手」であることや、「社会性の課題が、対人関係の困難さにつながっている」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■学習面での困りごと
・先生から複数の指示を一度に受けると、最初の方を忘れたり、指示の順番を間違える。
・図形を頭の中で回転させたり、複数の要素(辺の長さ、角度など)を同時に考慮したりする幾何学の問題が苦手。
・先生が話している内容を耳で聞きながら、黒板に書かれた文字を目で見て、さらにそれをノートに書き写すという、複数の動作を同時に行うのが困難
48,000円(税込52,800円)
・知的特性の把握:WISC-Vにより、知的な発達水準や、得意な能力・苦手な能力を詳細に把握できます。
・算数障害スクリーニング検査:算数や数学の能力を詳細に把握できます。これにより、単なる学業成績だけでなく、計算が苦手、数量の概念がわからない、といった具体的なつまずきを特定できます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的理解:これらの結果を統合することで、「高い知的発達水準を持つが、算数障害の特性から文章問題が解けない」ことや、「不注意特性から、計算ミスが多い」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■算数のつまずき
・「計算が苦手」なタイプ:九九や暗算でつまずく、計算に困難が見られる
・「数量の概念がわからない」タイプ:抽象的な数量の概念を理解するのが難しく、文章問題で何算を使えばよいか判断できない、筆算の位取りが理解できない
・「文章問題が解けない」タイプ:問題文を正確に読み取ることが難しい、文章に隠された法則性や解法をひらめくことが苦手、応用問題が解けない
58,000円(税込63,800円)
・知的特性の把握:WISC-Vにより、知的な発達水準や、得意な能力・苦手な能力を詳細に把握できます。
・学習のつまずき:特に、WAVES(Rey複雑図形)で書字に必要な形を捉える視覚的な情報処理や記憶力の得意・不得意を把握できます。STRAW-RとELCで読みのつまづき(例:文字の習得、音韻処理、読解)を特定できます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的な理解:これらの結果を統合することで、「視知覚の苦手さから文字を正確に読み取れず、板書が困難」であることや、「ASDの特性から、社会的な場面で適切な対応が難しい」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■読み書きのつまずき
・文章の読解が遅い、または苦手(文字を一つずつたどる読み方になり、読むスピードが遅い、読みまちがいが多いなど)
・読み飛ばしが多い。
・文字の形を正確に捉えられず、漢字書字が難しい。
・板書やノートを取ることが難しい(文字の形が崩れたり、書き漏らしが多くなる)
・作文がうまく書けない
58,000円(税込63,800円)
・知的特性の把握:WISC-Vにより、知的な発達水準や、得意な能力・苦手な能力を詳細に把握できます。
・言語能力のつまずき:LCSA(言語・コミュニケーション発達スケール)やSCTAW(標準抽象語理解力検査)で語彙の知識や文法的な理解、抽象語の理解力の得意・不得意や言葉の表現方法を詳細に把握できます。これにより、「人の話を聞き逃す」といった受容言語の困難さや、「擬音を多用する」といった表現言語のつまずきも特定できます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的理解:これらの結果を統合することで、「語彙が少ないことや適切な動詞が使えないこと」が、コミュニケーションの困難さにつながっているといった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■ことばに関する困りごと
・先生のお話の中に知らないことばが混じっていると説明を聞き流してしまい、授業の内容が頭に入らない。またはぼうっとする。
・文脈や言葉の裏にある意味を読み取るのが難しく、皮肉やジョークが通じず、場違いな反応をしてしまう
・擬音語を多用して説明する
・出来事や経験を順序立てて話すことが難しく、話が飛んだり、支離滅裂になったりする
・文章の読解が苦手
58,000円(税込63,800円)
・知的特性の把握: WISC-Vにより、知的な発達水準や、得意な能力・苦手な能力を詳細に把握できます。
・読み書きのつまずき:STRAW-Rで日本語の読み書きのつまづき(例:文字の習得、読解)を特定できます。URAWSS-Englishで英語の読み書きのつまずきを詳細に評価できます。これにより、「英単語を覚えられない」「英語の読解ができない」といった具体的な困難が、どの側面に起因するのかを分析できます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的理解:これらの結果を統合することで、「日本語の読み書きは問題ないが、英語の音韻処理に困難があり、英語が苦手」であることや、「不注意特性から、英語の授業中に集中力が続かず、学習が遅れている」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■英語の学習のつまずき
・英語の音(特にLとR、BとVなど)を聞き分けることが難しく、リスニングの授業についていけない。
・文字を見て正しく発音することが難しく、自分の発音に自信が持てないため、英語を話すことに抵抗を感じる。
・聞いた音を正確なアルファベットの並びとして頭の中でイメージすることが苦手なため、英単語のスペルを間違えやすい。
66,000円(税込72,600円)
・知的・認知特性の把握:WISC-VとK-ABC-IIを組み合わせることで、全般的な知的発達水準だけでなく、得意な認知機能(例:物事を同時に捉える能力)と苦手な認知機能(例:順序立てて考える能力)を詳細に把握できます。これにより、単なるIQではわからない、個人ごとの強みと弱みを明確にすることができます。
・日常生活での適応:Vineland-IIにより、コミュニケーションや社会性、身辺自立など、実際の生活における適応状況を評価できます。
・行動特性と発達特性:ADHD-RS-5と児童用AQ検査により、ADHDや自閉スペクトラム症の特性の有無や程度を把握できます。
・感覚的な偏り:感覚プロファイルにより、特定の感覚刺激(音、光、触覚など)への過敏さや鈍感さを特定できます。
・総合的理解:これらの結果を統合することで、「高い知的発達水準を持つが、特定の認知機能の弱さから学業に困難が生じている」ことや、「行動面での課題が、社会生活への適応を難しくしている」といった、表面的な問題の背後にある根本的な原因を深く分析し、その子に合った最適な支援計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
■学習・学業
・自分の今の学力や水準や認知特性を知りたい
・得意な学習方法を知って、自分に合ったやり方を見つけたい
・認知特性を多角的に把握して支援計画を立てたい
主検査および副検査の詳細の説明は下記となります。お悩みに合わせて下記の検査を組み合わせて実施します。
25,000円(税込27,500円)
5歳0ヶ月から16歳11ヶ月の子どもを対象とした、世界で最も使用されている個別実施型の知能検査の最新版です。 この検査は、お子さんの全般的な知的発達水準を示す「全検査IQ (FSIQ)」を算出するだけでなく、より詳細な認知能力を把握できます。具体的には、「言語理解」「視空間」「流動性推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」という5つの主要な認知領域におけるお子さんの強みと弱みを詳細に評価します。これらの得点を見ることで、例えば、言葉による理解は得意だが、目で見て考えることや、複数の情報を同時に処理することに難しさがある、といった具体的な特性を把握することができます。WISC-Vは、能力面の困難さを早期に発見し、お子さん一人ひとりに合った教育的支援や援助計画を立てるための重要な手がかりを得ることができます。
【 WISC-Vのコラムを読む 】
・WISC-Vとは?知能検査の基本軸になるウェクスラー式知能検査について解説
・WISC-Vで分かること・分からないこと、複合的な検査が必要な理由
30,000円(税込33,000円)
2歳6ヶ月から18歳11ヶ月までの幅広い年齢の子どもを対象とした、個別式の心理教育アセスメントバッテリーです。この検査の最大の特徴は、知能を「認知処理能力」と「習得度(基礎学力)」の二つの側面から評価する点にあります。「認知処理能力」では、お子さんが新しい情報をどのように処理しているか(例:順番に処理する「継次処理」、複数の情報を同時に処理する「同時処理」、学習する力、計画を立てる力など)を詳細に分析します。一方、「習得度」では、語彙、読み、書き、算数といった基礎的な学力の定着度を測定します。K-ABC-IIは、お子さんの得意な学習スタイルや、学業上の困難が認知処理のどの部分と関連しているかを具体的に把握するのに非常に役立ちます。
【 K-ABC-IIのコラムを読む 】
・K-ABC-IIとは?子どもの認知スタイルや学習方法の得意・不得意を把握
12,000円(税込13,200円)
小学1年生から高校3年生までを対象とした、読み書き能力を総合的に評価する検査です。特に、発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)の可能性を早期に発見し、適切な支援・指導へと繋げることを目的としています。この検査では、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字表記について、「音読の流暢性(速読)」と「音読・書取(聴写)の正確性」を多角的に測定します。単一の文字や単語だけでなく、文章の読みの速さも評価するため、高校や大学入試における試験時間の延長申請など、客観的な資料としても活用できる点が特徴です。STRAW-Rの結果は、お子さんがどの表記で、どのような読み書きの困難を抱えているのかを具体的に示し、その子の学習特性に合わせた指導計画を立てる上で非常に有用な情報となります。
【 STRAW-Rのコラムを読む 】
・STRAW-R 標準読み書きスクリーニング検査とは?発達性ディスレクシアの早期発見
10,000円(税込11,000円)
読み書き困難児のための音読・音韻処理能力簡易スクリーニング検査です。特に、小学校2年生から3年生の子どもを主な対象としており、発達性読み書き障害(発達性ディスレクシア)の背景にある音韻処理の困難さを早期に発見することを目的としています。主な評価項目は、「短文音読課題」「音韻操作課題」「単語・非単語音読課題」の3つで、音声で読みのパフォーマンスを捉えることが特徴です。
【 ELCのコラムを読む 】
・ELC音読・音韻処理能力簡易スクリーニング検査とは
12,000円(税込13,200円)
「見る力」に困難を抱える子どもたちの視覚関連基礎スキルを評価するための検査です。主に、以下の3つの主要領域における能力を測定します。
1.視知覚 (VPI): 形や位置関係、方向などを正確に見分ける能力を評価します。図形認知や空間認知などに関わります。
2.目と手の協応 (ECAI/ECGI): 目で見た情報と手の動きを正確に連動させる能力、およびその速度と正確性を測ります。書字や運動能力に影響します。
3.眼球運動: 目が対象物を追う、焦点を合わせる、動くものを見るなどの目の動きの効率性を評価します。読みの流暢性などに関わります。
WAVESは10種類の下位検査で構成され、これらの領域を多角的にアセスメントすることで、お子さんの「見る力」の強みと弱みを詳細に分析できます。検査結果は、読み書きの困難や不器用さなど、日常生活や学習における「困りごと」の背景にある視覚機能の特性を理解し、個別のビジョントレーニングや学習支援に繋げるための重要な指針となります。
【 WAVESのコラムを読む 】
・WAVESとは?視覚関連基礎スキルを測定するための検査
10,000円(税込11,000円)
視覚性認知機能と視覚性記憶を評価するための検査です。子どもから成人、高齢者まで幅広い年齢層に適用されます。この検査では、非常に複雑で抽象的な図形(レイの複雑図形)を用いて、主に以下の3つの課題を行います。
1.模写課題: 被検者は、提示された図形を見ながら、それを正確に模写します。この課題では、視空間構成能力(図形を正確に認識し、空間的に配置して描く能力)や注意力を評価します。
2.直後再生課題: 模写終了後、一定時間(通常3分程度)の経過を置いて、見本なしで記憶のみを頼りに図形を再生します。これにより、短期的な視覚性記憶能力が評価されます。
3.遅延再生課題: さらに長い時間(通常30分程度)の経過を置いて、再び見本なしで図形を再生します。これにより、長期的な視覚性記憶能力が評価されます。
検査結果は、模写や再生された図形の正確性や構成方法を採点することで評価されます。これにより、視空間認知、記憶、構成能力、計画性、実行機能など、多様な認知機能の側面を把握することができます。
【 Rey複雑図形検査のコラムを読む 】
・Rey複雑図形検査とは?発達障害、学習障害、認知症の評価
12,000円(税込13,200円)
子どもから高齢者まで幅広い年代を対象とした、抽象語の理解力に特化した言語理解検査です。日本ではじめて抽象語のみを刺激として用いた検査であり、特に軽度の言語理解障害を鋭敏に検出することを目的としています。抽象語とは、「自由」「幸福」「努力」といった、具体的な形を持たない概念を表す言葉を指します。これらの言葉の理解は、高度な思考力や言語能力と密接に関連しています。検査は、言葉を聞いて(聴覚的理解)、あるいは漢字単語を見て(視覚的理解)、その言葉が表す意味を最も適切に表している絵を選択する形式で行われます。この検査によって、日常会話では気づかれにくい抽象的な概念の理解における困難さを明らかにすることができます。
【 Rey複雑図形検査のコラムを読む 】
・SCTAW標準抽象語理解力検査とは?言語発達や学習障害を評価
10,000円(税込11,000円)
主に中学生を対象とした、英単語の読みとスペル(綴り)の習得度を評価するための検査です。英語学習における読み書きの困難さを具体的に把握し、適切な支援へと繋げることを目的としています。この検査は、英単語の語彙力と綴り力を測定することで、中学1年生から3年生までの平均と比較して、お子さんの英語学習における遅れの有無を評価できます。英語の学習を繰り返してもなかなか成績が上がらない場合、それが必ずしも能力不足によるものではなく、読み書きの特性に起因している可能性を探るために活用されます。URAWSS-Englishの結果は、お子さん一人ひとりに合った効果的な英語学習方法や、学校生活で必要となる配慮(例:試験時間の延長、視覚的な補助教材の利用など)を検討するための手がかりとなります。
12,000円(税込13,200円)
小学校低学年(主に小学1年生から3年生)の子どもを対象とした、算数における困難さの早期発見と理解を目的とした検査です。算数のつまずきは、単なる計算ミスだけでなく、数の概念理解、空間認識、推論能力など、多様な認知機能の未発達に起因することがあります。この検査は、数概念、計算、図形、文章題といった算数の主要な領域における基礎的な力を簡便に評価できるよう設計されています。具体的には、数を数えること、数字の読み書き、簡単な計算、時間の理解、図形の認識、文章で与えられた問題を理解し解決する力などを検査項目としています。お子さんが算数のどの領域で、どのような困難を抱えているのかを具体的に把握するための手がかりとなります。これにより、例えば数の操作はできるが、文章題になると理解が難しいといった個別の特性を特定できます。そして、その特性に応じた具体的な支援方法や指導計画を立てる上で非常に有用な情報を提供し、算数の学習に対する苦手意識が定着する前に、適切な介入へと繋げることが可能になります。
4,000円(税込4,400円)
0歳から92歳11ヶ月までの幅広い年齢層を対象とした、個人の社会生活能力(適応行動)を評価するための検査です。知能指数(IQ)を測定する知能検査とは異なり、日常生活で実際に「何が、どの程度できているか」という側面に焦点を当てます。評価領域は主に以下の4つに分かれています。
1.コミュニケーション: 受容言語(理解する力)、表出言語(話す力)、読み書きなど
2.日常生活スキル: 身辺自立(食事、着替えなど)、家事、地域生活(公共交通機関の利用など)
3.社会性: 対人関係、遊びと余暇、コーピングスキル(問題解決能力)
4.運動スキル: 粗大運動(全身を使う動き)、微細運動(手先の細かい動き)
Vineland-IIの結果は、これらの領域における個人の強みと弱みを数値化し、同年齢の人々と比較してどの程度の適応水準にあるかを明らかにします。これにより、知的障害や発達障害などによって生じる日常生活や社会生活での具体的な困難さを把握し、個別の支援計画の立案や、支援の効果を評価する上で非常に有用です。
【 Vineland-IIのコラムを読む 】
・Vineland-II適応行動尺度検査とは?日常生活の適応能力を評価
2,000円(税込2,200円)
6歳から15歳の子どもを対象としたスクリーニング検査です。この検査は、保護者などのお子さんをよく知る観察者が回答する他者評価形式で実施されます。主な目的は、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向を早期に把握することにあります。自閉スペクトラム症は、社会的コミュニケーションの困難さや、特定の興味・こだわりが強いといった特徴を持つ発達障害の総称です。AQ児童用検査は、以下の5つの下位尺度(評価項目)で構成されています。
1.社会的スキル: 他者との関わり方、社会的なルール理解など
2.注意の切り替え: 状況や課題の変化への適応、思考の柔軟性など
3.細部への関心: 細かい部分へのこだわり、全体よりも細部に目が行く傾向など
4.コミュニケーション: 言葉や非言語的なコミュニケーションの取り方、相互作用など
5.想像力: 遊びや対人関係における想像性、柔軟な思考など
これらの項目について4段階で評価し、その合計点や各下位尺度の得点から、お子さんの自閉症スペクトラム特性の傾向を客観的に把握します。これにより、専門機関でのより詳細な検査や、個別の支援の必要性を検討する際の重要な手がかりとなります。
2,000円(税込2,200円)
児童期および青年期のADHD(注意欠如・多動症)の症状の重症度を評価するための評価尺度です。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の診断基準に基づいており、主に保護者や教師が回答する形で使用されます。この尺度では、ADHDの主要な症状である「不注意(例:集中が続かない、忘れ物が多い)」と「多動性・衝動性(例:じっとしていられない、衝動的な行動)」のそれぞれ9項目、合計18項目について、過去6ヶ月間の症状の頻度や程度を評価します。「全くない」「少し」「ときどき」「かなり」「非常に」といった段階で回答し、各項目の点数を合計して総得点を算出します。ADHD-RS-5は、ADHDの診断の補助ツールとして用いられるほか、治療効果の評価や、症状の経過観察にも利用されます。お子さんのADHD特性を客観的に把握し、適切な教育的支援や医療的介入を検討する上で重要な情報を提供する信頼性の高い評価ツールです。
【 ADHD-RS-5のコラムを読む 】
・ADHD-RS-5とは?注意力欠如・多動性などの行動評価
3,000円(税込3,300円)
子どもから成人までを対象とした、感覚処理の特性を評価するための質問紙形式の検査です。五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)だけでなく、固有受容覚(体の位置や動きを感じる感覚)や前庭覚(平衡感覚や頭の動きを感じる感覚)といった、より深部に位置する感覚の情報を、脳がどのように受け取り、処理し、行動に繋げているかを明らかにします。この検査は、保護者や本人が質問に答えることで実施され、特定の感覚刺激に対する「反応性」(例:過敏に反応するか、鈍感か)や、「感覚を求める行動」(例:常に動き回る、特定の素材に触りたがる)のパターンを把握します。感覚処理の特性は、日常生活での「困りごと」(例:特定の音に過度に反応する、服の素材を嫌がる、落ち着きがない、など)に深く関連していることがあります。感覚プロファイル検査の結果は、これらの行動の背景にある感覚特性を理解し、環境調整、具体的な支援方法を検討する上で非常に重要な情報となります。
【 感覚プロファイルのコラムを読む 】
・感覚プロファイルとは?感覚処理システムの特徴を客観的に把握
当検査室は医療機関ではございません。病名の診断は医師によるものとなります。診断書を必要とする場合、医療機関での受診をお願いいたします。また、以下の言動・行為が見られる方は当検査室では対応いたしかねます。
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※検査中は電話に出られないことが多く、LINE公式アカウントでのご予約をおすすめしております。