2025年8月27日 |
コラム
WAVESとは?視覚関連基礎スキルを測定するための検査

WAVES(ウェーブス)は、3領域(視知覚、目と手の協応、眼球運動)の視覚関連基礎スキルを、10種類の下位検査でアセスメントして弱い部分を見つけだす検査です。
障がいのある子どもは、「見る力」が弱いためにさまざまな学習上の困難を抱えている場合が少なくないという背景から開発されました。目と手の協応、眼球運動、形態/空間の知覚と認知、視覚性記憶、図形構成など、広範囲にわたる視覚関連基礎スキルについて測定を行います。
WAVESを受けるべき理由
学術的な理由
・大阪医科薬科大学LDセンターなど専門機関で開発された科学的根拠に基づく検査です
・視覚障害やディスレクシアなど、読み書きで困っている様々な子どもたちに視覚に関する問題がないか確認できる検査して学術的に認められています
・従来見過ごされがちだった「見る力」の課題を定量的に把握できます
臨床的な理由
・読み書き困難の背景にある視覚的要因を客観的に評価できます
・WISCやKABC-Ⅱなど,他の検査結果をご持参いただくと,それらの検査を含めて総合的にアセスメント行い,より的確な支援方法のアプローチが可能になります
・早期発見・早期支援により学習困難の軽減が期待できます
WAVESを受けることで分かること
3つの主要領域の詳細測定
1. 視知覚領域
形態、空間の知覚と認知、視覚性記憶、図形構成などを測定し、以下の特性が分かります
・形や図形を正しく認識する力
・空間的な位置関係を理解する能力
・視覚的な記憶保持能力
・複雑な図形を構成・再現する能力
2. 目と手の協応領域
目と手の協応を測定し、以下の特性が分かります
・見たものに合わせて手を動かす協調性
・視覚情報と運動機能の統合能力
・細かい作業や書字に必要な視覚運動統合
3. 眼球運動領域
眼球運動を測定し、以下の特性が分かります:
・文字や行を正確に追視する能力
・視線をスムーズに移動させる機能
・読書時の眼球運動の効率性
10種類の下位検査による詳細評価
10種類の下位検査でアセスメントして弱い部分を見つけだします。各検査により、子どもの「見る力」の得意・不得意な分野を具体的に特定できます。
WAVESを受けることで対策できること
学習面での具体的対策
読み書きの困り事への対策
・文字が読みにくい、行を飛ばして読んでしまう→眼球運動の弱さが原因の場合、専用トレーニングで改善可能
・漢字や図形を覚えられない→視覚性記憶の課題に応じた記憶方法の工夫
・文字を書くのが苦手→目と手の協応の向上により書字能力を改善
日常生活での困り事への対策
・ボール遊びが苦手→視覚と運動の協調性向上トレーニング
・パズルや積み木が苦手→空間認知能力向上プログラム
・集中が続かない→視覚的注意力向上のための段階的支援
個別支援計画の作成
その結果に基づいたおすすめトレーニングで子どもたち一人ひとりの発達に合わせた継続的な支援を可能にします。検査結果から、一人ひとりの特性に応じた具体的な支援方法が提案されます。
継続的な効果測定
ある程度できるようになったら再検査して状況を確認するため、支援の効果を客観的に測定し、必要に応じて支援方法を調整できます。
家庭・学校での連携支援
検査結果を基に、家庭でできる視覚的支援方法や学校での配慮事項を具体的に提案でき、一貫した支援体制を構築できます。
早期介入による学習支援
読み書き困難の背景にある視覚的な課題を早期に発見し、適切な支援を開始することで、学習面での困難を軽減できる可能性があります。
以上がWAVES(ウェーブス)の概要と詳細となります。
視覚認知機能を主軸に、WISC-Vだけでは分からないアセスメントを見つけ出す検査なので、よりお子様の得意不得意の根幹が分かります。もしお子さんの発達や学習に関して気になる点があれば、専門機関(検査を実施している施設・医療機関等)に問い合わせてみることをお勧めします。
臨床心理士 / 公認心理師 井上 操